根を張らせる方法とは?育たない原因と品質向上につながる具体的な対策を解説
野菜や果物の品質で悩んでいませんか?
大切に育てているはずなのに、うまく育たたないと悩みを抱えるか方も少なくありません。
実は健康的な作物を育てる秘訣は、土の中の「根」にあります。
健康的な根の成長にはいくつかのポイントがあり、誤った栽培をしてしまうとかえって作物の発育を妨げてしまう可能性も。
しかし、毎日の水やりや土づくりを少し見直すだけで、根張りが良くなり作物は大きく変わります。今回は、根が育たない原因から具体的な対策まで、誰でもできる根の張らせ方を紹介します。
根が張らない原因
植物の根がしっかり育たないときは、主に以下の4つの原因が考えられます。
●水のやりすぎ
●水やりの開始時期の遅れ
●土の温度が低すぎる
●暑すぎる
それぞれの原因を、詳しく解説します。
水を与えすぎている
植物への過剰な水やりは、根が弱る原因になり得ます。
植物は水を探して根を伸ばす習性があるため、水が多すぎると根を伸ばす必要がなくなってしまいます。その結果、表面近くにしか根が育たず、倒れやすい弱い植物になってしまいます。
また、水がある状態が続くことで根が腐ってしまうことも。根が弱れば栄養を吸収できず、作物にも影響が表れます。
土の表面がいつも濡れていたり、触るとベタベタしていたりする状態は危険信号。健康な根を育てるには、土の表面が少し乾いてから水をあげる程度がベストでしょう。指で土の表面を軽く押して、少し湿り気を感じる程度が理想的な状態です。
潅水(かんすい)の開始が遅い
種や苗を植えたばかりの時期は、水やりのタイミングが特に大切です。この時期の水不足は、根の成長に大きく影響するからです。
乾燥した土では根が張りにくく、せっかく植えた苗も元気に育ちません。特に春の風が強い時期や夏の暑い時期は、土の表面が乾きやすいので要注意!土の表面が乾いていないか毎日チェックし、乾いていたら早めに水をあげましょう。
正しいタイミングで水やりをすることで、根はぐんぐん伸びて、丈夫な植物に育ちます。朝、遅くても午前中に水をあげるのがおすすめです。
地温が低すぎる
土の温度が低すぎると、根の活動が鈍くなります。
特に春先の寒い時期や、秋の終わりごろに気をつけたい問題です。土の中が冷たすぎると、根が水分や栄養を十分に吸収できなくなり、葉の色が悪くなったり、成長が遅くなったりする原因に。
マルチシートで土を覆ったり、温室を活用したりすることで、土の温度を保つことができます。早めに対策をとり、根の活動を止めないようにしましょう。
温度が高すぎる
真夏の強い日差しで土が熱くなりすぎると、根の成長に悪影響が出ます。
土の温度が30度を超えると、根の働きが弱まり水分も養分も上手に吸収できません。また、高温は土の中の有害な菌を増やしてしまう原因にもなります。
わらを敷いたり遮光ネットを使ったりして、土の温度上昇を防ぐことが大切です。植物の種類に合わせて、適切な温度管理を心がけましょう。
根張りを良くする方法
根をしっかり成長させるには、以下の4つのポイントを踏まえた対策が必要です。
●土壌の改良
●適切な水の管理
●バランスの良い肥料
●生活環境の改善
質のいい作物を作る際のコツにもつながるため、ぜひ参考にしてください。
土壌の改良
根の健やかな発育には、障害物のない柔らかい土が必要です。堆肥や腐葉土を混ぜることで、土は根が伸びやすい状態になります。固すぎる土は、根が伸びにくく水はけも悪くなってしまうため、スコップで土を耕して空気を入れましょう。
また土の酸性度も大切で、多くの野菜は弱酸性~中性を好みます。定期的に土壌の状態をチェックして、必要に応じて石灰を入れることで、根が育ちやすい土に変わっていきます。
適切な水の管理
根を丈夫に育てるには、水の管理も大切です。土の表面が乾いてから、たっぷりと水をあげるのがコツ。水のあげすぎはかえって成長の妨げになる可能性があるので注意しましょう。
水やりのタイミングは、午前中の涼しい時間帯がベスト。ただし、季節や天候、植物の種類によって必要な水の量は変わってきます。指で土の表面を触って湿り具合を確認しながら、水やりの量を調整していくことが大切です。
生育環境の改善
根の成長は、快適な環境づくりも大切です。
特に気温は土の温度に直結するため、根にも影響します。寒い時期はマルチシートで土を覆って温度を保ち、暑い時期はわらを敷いたり日よけを設置したりして、土が熱くなりすぎるのを防ぎましょう。
また、土が固くなりすぎないように、定期的に耕すことも重要です。植物の周りの雑草は、根の成長の妨げになるので早めに取り除きます。
栄養面だけでなく環境づくりも、根の健康な成長に欠かせないポイントです。
根張りの必要性
丈夫な根には、5つの重要な役割があります。
●栄養の吸収力の向上
●土壌の安定性と水分保持能力の向上
●病害の抵抗とストレス耐性の向上
●安定した収量と品質の維持
●土壌環境の改善
それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
栄養の吸収力の向上
根がしっかり張ると、植物は土の中の栄養をより多く吸収できるようになります。
深く広がった根は、表面だけでなく土の深いところにある栄養も吸収するため、少ない肥料でも十分な栄養を得られるようになるのです。特に野菜作りでは、根の張りが良いと葉も実も大きく育ちます。また栄養が作物までいき届くため、収穫量が増えたり高品質の作物ができたりするなどの複数のメリットがあります。
土壌の安定性と水分保持能力の向上
根が網目のように広がることで、大雨で土が流されるのを防いだり乾燥から土を守ったりする働きがあります。
張り巡らされた根は、土の安定はもちろんのこと、広く深く水を探せるため乾燥しにくい環境を作ります。また、根の周りに小さな水路ができ、保水力を高める効果も!
十分に育った根によって、生育環境が整う効果があります。
病害の抵抗とストレス耐性の向上
健康な根は、土の中の病原菌や害虫から植物を守る力を高めます。
根から出る有機物質の「根分泌物」は、解毒機能があり有害な成分の毒性を低下させる作用があります。また、根が広く張ることで、土の中の微生物が活発に活動しやすくなり、有機物を分解して栄養を作り出す効果も。さまざまな効果によって十分に栄養を蓄えた根は、しっかり育ち、植物の乾燥や暑さなどの環境ストレスによるダメージを受けにくくなります。
安定した収量と品質の維持
根がしっかりしている野菜は、実の付き方も安定します。
水も栄養も十分に吸収できるため、実が小さくなったり形が悪くなったりすることが少ないのです。葉物野菜なら葉の色が良く、果実なら甘みが乗りやすくなります。
特に農家にとって、収穫量が安定することは大切なポイント。見た目も味も良い野菜が育つことで、市場でも高く評価されます。
土壌環境の改善
根は、土を良くする働きもしています。
根が通る隙間に水分を蓄えられるほか、根から分泌される成分や抜けた根などから有機物質が発生し、微生物のエサになることも。微生物は土を豊かにする役割があるので、根の成長にとっていい環境を作ってくれます。
今の作物の根は、次の作物のために土を良くする大切な役割も果たしているのです。
バイオスティミュラントで根張りを強化
バイオスティミュラントは、農業の新しい味方として世界から注目を集めています。
植物の根張りを良くする効果も期待できるので、よりより栽培環境を求める方におすすめの資材です。バイオスティミュラントの基本情報や効果について解説します。
新しい農業資材「バイオスティミュラント」とは
バイオスティミュラントは、植物本来の力を引き出す新しい農業資材です。
微生物や植物エキス、海藻から作られているため、安全性はもちろんのこと環境にも優しいのがポイント。普通の肥料が栄養を与えるのに対し、バイオスティミュラントは植物自身の栄養吸収力を高めます。
土の中の微生物を活性化したり根の張りを促進したりする効果があり、持続可能な農業を目指す農家さんから高い評価を得ています。
バイオスティミュラントの効果
バイオスティミュラントの最大の特徴は、環境ストレスから植物を守る力を高められることです。暑さや寒さ、乾燥や塩害など、様々な環境の悪影響を和らげる効果があります。
また、根の発達を促し、水や養分の吸収効率を上げる働きも。通常の肥料や土壌改良材と組み合わせることで、さらに高い効果が期待できます。
植物が本来持っている力を最大限に引き出すため、農薬や化学肥料への依存度を減らすことができ、環境にもやさしい栽培が可能になります。
バイオスティミュラントの選び方
バイオスティミュラントを選ぶときは、栽培している作物の課題に合わせることが大切です。
根の張りを良くしたい、病気に強くしたい、環境ストレスに負けない作物を育てたいなど、目的をはっきりさせましょう。
製品によって使われている成分が違うため、期待する効果と製品の特徴がマッチしているか確認が必要です。専門家に相談したり、小規模で試してみたりすることをおすすめします。
根張りを改善して作物の収量・品質をアップしよう
根をしっかり張らせることは、農作物の成長を支える大切な基礎となります。
適切な土づくり、水管理、バイオスティミュラントなど、様々な方法を組み合わせることで、より健康な作物づくりを目指せるでしょう。
アグリアスでは、根の張りを促進する高濃度腐植酸配合のバイオスティミュラント「エクスプルート」を提供しています。